なるほどハッケン 九州・山口
まとわりつく不快な羽音、血を吸って、赤黒く膨れたおなか……。
今年も蚊の季節がやってきた。身近な場所に田んぼやクリーク(水路)などがある佐賀は、
「蚊が多い」として「ブン蚊都市」と揶揄(やゆ)されることも。本当に、そうなのか。
佐賀はまず、茶色で数キロ飛べるコガタアカイエカなどが発生する田んぼと、
市街地が近い。白黒まだらのヒトスジシマカなど、小さい水たまりを好む種の住みかとなる墓や竹やぶ、側溝のマスにも事欠かない。
街中に張り巡らされたクリークも、流れがなければ発生源だ。
「様々な種類の蚊が好む環境がモザイク状に配置されている。蚊にとっては天国のような環境」
佐賀市もあだ名を放置しているわけではない。市環境政策課によると、蚊対策は遅くとも1973年には始まっていた。
当初は成虫を駆除していたが、今はボウフラ駆除が中心だ。
停滞した水路などで発生するアカイエカを減らすため、4~9月の蚊シーズンは市内約1500カ所を調査。
ボウフラがいれば、脱皮を邪魔する薬をまく。
最近は下水道の普及で生活排水が溝にたまることが少なくなり、一時期より数は減ったという。
一方、住宅地に多く、ジカ熱を媒介するヒトスジシマカは行動範囲が数十メートルほどと狭いため、
身近な水たまりをなくすことが重要。市は植木鉢の受け皿の掃除を呼びかけたり、
地域から申し込みがあれば「防蚊対策アドバイザー」を派遣して助言したりしている。
刺されないようにするにはどうしたらいいのか。
夜行性のアカイエカなどは、網戸をしっかり閉め、蚊取り線香などを使えばある程度避けることができる。
出先にいることが多い昼間に飛んで来て血を吸うヒトスジシマカの対策は難しい。
長袖を着るなどの防衛策があるが、発生を減らすのが一番だという。
最近の研究では、蚊に刺されやすい人と刺されにくい人の差は遺伝子で決まっていると明らかになった。
皮膚から出る揮発成分、「におい」に寄ってきているらしい。
引き寄せる成分は複数あるといい、リストアップが進んでいる。
近い将来、新しい対策が生まれるかもしれない。(杉浦奈実)
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