コラム

ペット火葬の棺に入れる花|選び方・安全性・おすすめの種類などを解説

ペット火葬の棺に入れる花|選び方・安全性・おすすめの種類などを解説

大切な家族であるペットちゃんを見送る瞬間──。

「きれいに送ってあげたい」「好きだったお花を添えてあげたい」という、深い愛情があると思います。

ですが、同時に「この花は火葬していいの?」「棺に入れる花の量は?」「入れてダメなものはあるの?」という不安も大きいはずです。

この記事では、佐賀市にある賀昌院内「慈光苑」が、棺に入れていい花やダメな花のほか、棺に入れる花の量、入れ方、おすすめの種類などを専門的な観点から分かりやすくまとめています。

はじめての方でも迷わず準備でき、ペットちゃんに後悔のないお別れをしていただける内容です。

上記内容を含めて、ペット火葬・ペット葬儀に関するご不明な点やご不安なことがございましたら、どのようなことでもお気軽にご相談ください。全力でサポートさせていただきます。

なぜ「棺に入れる花」が大切なのか

なぜ「棺に入れる花」が大切なのか

火葬前の安置の時間は、飼い主様がペットちゃんと過ごす「最期のひととき」です。
そこに添える花には、悲しみを和らげ、旅立ちを見守る大切な役割があります。

ペットを見送るうえで花が果たす3つの役割(慰め・清らかさ・旅立ちの象徴)

  • 1.心を慰める
     白や淡い色の花は、悲しみで揺れる心をそっと包み込むような優しい印象があります。
     ペットちゃんの表情もやわらかく映り、飼い主様の心がほんの少し落ち着きます。
  • 2.清らかさを表す
    生花には清潔感と「自然に還るもの」という象徴性があり、最期の姿を美しく整える意味があります。
  • 3.旅立ちを見守る象徴
    ペットちゃんへの「ありがとう」「大好きだよ」という気持ちを、そっと託すものとして選ばれます。

迷いや不安が生まれやすい理由(種類・量・入れてよい物の線引きが曖昧)

ネットの記事にはさまざまな意見があり、初めての方ほど混乱しがちです。 特に以下の点で迷いが生じます。

  • 火葬炉に入れて安全?
  • 薬品が使われている花は大丈夫?
  • 棺いっぱいにお花を入れてあげても大丈夫?

このあと、実際の火葬の現場目線で「OK・NG」を明確にお伝えします。

ペット火葬の棺に入れる花の基本ルール

ペット火葬の棺に入れる花の基本ルール

ここでは、ペット火葬・ペット霊園施設としての知見を踏まえ、安全性の観点から必ず押さえておきたい基本ルールを解説します。

基本的に「生花」を使う理由(燃焼性・安全性・煙量)

棺に入れる花は、生花が最も適しています。理由は以下の通りです。

  • 水分量が多く、燃焼が穏やか
  • プラスチックや染料のような有害物質が出ない
  • 火葬炉に負担をかけにくい

逆に造花は燃えやすく、火葬中の炎が強まることがあり、多くの火葬場で禁止されています。

色は白・淡色が選ばれる理由(写真・旅立ちの儀式の意味)

白・クリーム・淡いピンクは、以下の理由で最も選ばれています。

  • ペットちゃんの寝顔を柔らかく見せる
  • 清らかで静かな印象になる
  • お別れの写真にも残しやすい

<なぜ濃い色の花や赤色は避けるべき?(お骨への影響)>

「大好きだった赤いバラを入れてあげたい」など、濃い色の花を選びたいと思われる方も多いでしょう。ですが、濃い赤や青、紫などの色素は、火葬の熱によってお骨に「色」として付着してしまうことがあります。

真っ白で綺麗なお骨がピンクや青に染まってしまうと、「何か病気だったのかな?」と後悔されたり、気になさる飼い主様も少なくありません。

もし、どうしても濃い色の花を入れたい場合は、お顔周りやお骨の中心部を避け、足元や棺の隅の方に少しだけ添えるといった工夫をおすすめします。

蕾より開花した花が向いている理由(火葬後の形状・華やかさ)

咲ききった花のほうが「美しく華やかに見える」「火葬後に溶け残りが少ない」 という点で安心です。
また、蕾は火葬中に水分が急に飛んで破裂する場合があるため、避ける施設もあります。

棺に入れる花の量(お花いっぱいでのお見送り)

弊苑では、棺に入れるお花の量に制限を設けておりません。

「寂しくないように、お花で埋め尽くしてあげたい」 「まるで花畑で眠っているように送ってあげたい」そのようなご家族様の想いを大切にしておりますので、どうぞ安心してお花をご用意ください。

他施設をご利用の場合、火葬炉の性能やルールによっては花の量に制限があるため、ご心配な場合はご利用を検討されている施設へお問い合わせください。

棺に納める前の「ひと手間」チェックリスト

お花屋さんで買った花束をそのまま棺に入れるのはNGです。以下の3点は必ず確認しましょう。

  • 1.ラッピング・リボン・輪ゴムはすべて外す
     ビニールや化学繊維は、燃やすと黒い煤(すす)が出てお骨を汚したり、有害物質が発生する原因になります。必ず「お花だけ」の状態にしましょう。
  • 2.茎のアルミホイルや保水ゼリー(綿)を取る
    茎の根元に巻かれている保水用のアルミやゼリーも、燃え残りの原因です。綺麗に拭き取ってから入れてあげてください。
  • 3.棘(トゲ)や硬い枝は取り除く
    バラなどの棘は、生前ペットちゃんを傷つけないように気をつけていたはずです。最期の時も優しくあるために、ハサミや手で取り除いてあげましょう。

ペット火葬に適した花の選び方(迷わない3ステップ)

ペット火葬に適した花の選び方(迷わない3ステップ)

ペットちゃんの棺に入れる花選びで最も大切なのは、「飼い主様の感謝の気持ち」と「火葬時の安全性」の両立です。迷った際は、以下の3つの基準で選んでいただくと、安心してお見送りいただけます。

①香りの強さを避ける(ユリなどの強香花がNGの理由)

ユリ・ヒヤシンスなど香りの強い花は、以下の理由から多くの火葬場で推奨されません。
特に「カサブランカ」は避けたほうが安心です。

  • 火葬中に香り成分が強く燃える
  • 煙が出やすい

②花言葉・色で選ぶ方法(飼い主心理に寄り添う)

お別れの花は、花言葉を参考に選ばれる方が多いです。
花言葉を知って選ぶと、気持ちが少し前向きになります。

  • カーネーション(無垢で深い愛)
  • ガーベラ(希望)
  • トルコキキョウ(優美・永遠の絆)
  • スイートピー(旅立ち)

③季節・思い出の花を軸に選ぶ(独自性・パーソナル性)

「散歩道に咲いていた花」
 「うちの子がよく触っていた花」
 「春生まれだから春らしい花」

このように、生活と結びついた花を選ぶと、とても温かい最期になります。

季節外れの花でも、生花店なら取り寄せ可能な場合があります。

ペット火葬におすすめの花【意味と選ばれる理由】

ペット火葬におすすめの花【意味と選ばれる理由】

もし花選びに迷われたら、「カーネーション」や「トルコキキョウ」などの淡い色の花を選んであげてください。これらは見た目が美しく、火葬のお骨上げにも影響が少ないため、最も選ばれているお花です。

※スクロールしてご覧ください。

花の種類おすすめの理由・特徴花言葉の例
カーネーション(白・ピンク)
  • 香りが強すぎず火葬に適している
  • 花びらが散りにくく扱いやすい
無垢で深い愛
トルコキキョウ
  • フリルのような花びらが優しい印象
  • 火葬後も溶けにくく骨を汚さない
優美・永遠の絆
スイートピー
  • 春のお別れに人気
  • 淡い色が多く、火葬に影響しにくい
門出・旅立ち
ガーベラ(薄色)
  • 明るい印象で悲しみを支えてくれる
  • 茎がしっかりしており飾りやすい
希望
カスミソウ
  • 小さな花が全体を優しく包む
  • 白い花なので写真写りが良い
清らかな心

【季節別】旅立ちに添えたいおすすめの花

その季節ならではの花は、「この季節になるとあの子を思い出す」という大切なきっかけになります。

  • 春(3〜5月):
    • スイートピー(花言葉:門出・優しい思い出) ふんわりとした花びらが、優しい春の空へと導いてくれるようです。
    • 菜の花(花言葉:快活・明るさ) お散歩が好きだった元気な子におすすめです。
  • 夏(6〜8月):
    • ひまわり(花言葉:あなただけを見つめる) ※大型のものは燃えにくいため、小ぶりの「サンリッチ」などの品種や、花びらだけを入れるのがおすすめです。
  • 秋(9〜11月):
    • コスモス(花言葉:調和・乙女の真心) 茎が細く燃えやすいため、棺に入れるのに非常に適しています。
  • 冬(12〜2月):
    • スイセン(花言葉:尊敬) ※根元に毒性があるため、必ず花の部分だけを使用しましょう。
    • ストック(花言葉:愛の絆) 香りが優しく、色も淡いため冬のお見送りに最適です。

棺に入れる花の並べ方・入れ方

基本の並べ方

  • ペットちゃんの体の“周り”に置く
  • お顔まわりは小さめの花を添える
  • お顔はお別れのために出し、身体にはお布団のように花をかける
  • 花束より「花1本ずつ」が扱いやすい

棺に入れてはいけない花・避けたい花(NG一覧)

以下は火葬時にトラブルが起きやすいものです。

●造花・プリザーブドフラワー

→ プラスチックや薬品が燃え、有害ガス・黒煙の原因に

●強い香りの花(ユリ・カサブランカ)

→ 一部の火葬炉では燃焼が乱れるためNG

●トゲのある植物(棘は必ず除去)

→ ペットちゃんの体を傷つける恐れ
  火葬後の骨に付着する場合もあり避けるのが無難

●濃い色の花(赤バラ・青い花など)

→ 体毛や布に色移りする可能性

●花粉が多い植物(ユリ・ラナンキュラス)

→ 花粉が体につくため避ける方が多い

「どうしてもこの花を使いたい」ときは?

本記事で「棺に入れるのはNG」としたお花(造花・濃い色の花・思い出のゴム製おもちゃなど)も、「火葬炉に入れない」だけであれば問題ありません。

  • 火葬までの間、枕元に飾ってあげる
  • 出棺の直前に取り出し、ずっと手元に残る写真立ての横に飾る
  • 火葬後、お骨壷の横にお供えする

棺に入れられなくても、そのお花に込めた「ありがとう」の気持ちは必ずペットちゃんに届いています。無理に諦めるのではなく、飾る場所を変えて供養してあげてください。

花の購入方法|当日でも買える?費用の目安は?

花の購入方法|当日でも買える?費用の目安は?

●花は当日でも購入できる?

多くの生花店で、淡色の供花は当日購入が可能です。
夜間の場合は、スーパーの花でも問題ありません(※生花であればOK)。

●どこで買うのが良い?

  • 生花店(最も安心・希望を伝えやすい)
  • スーパーの切花コーナー
  • 仏花(白中心で使いやすい)
  • 直売所などの花束

●費用の目安

  • 小束:300〜600円
  • 供花セット:1,000〜3,000円

迷ったら「白・淡ピンクの混合でお願いします」と伝えれば大丈夫です。

まとめ──大切な子に後悔のないお別れをするために

最愛のペットちゃんを失った悲しみの中で、火葬の準備やお花の準備を完璧に行うのはとても大変なことです。

「どんなお花なら大丈夫?」 「庭に咲いている花でもいいの?」 「費用は全部でいくらかかるの?」

そのような疑問や不安は、すべて慈光苑にお任せください。

 弊苑は佐賀市・日蓮宗 賀昌院内にあるペット霊園です。お寺ならではの心安らぐ環境で、ご家族様の悲しみに寄り添い、大切なお見送りをサポートいたします。